「学校に行きたくない」と言われたら。夏休み明けに、親がまず大切にしたいこと
来週から夏休みが終わり、始業式を迎える学校も多い時期ですね。
夏休みの間は元気に過ごしていたのに、始業式が近づくにつれて、なんとなく子どもの表情が曇ってきた。
そして、ある日突然、
「学校に行きたくない」
そんな言葉が出てくることもあるかもしれません。
そんなとき、親としては何と返せばいいのでしょうか。
今日は、子どもから「学校に行きたくない」と言われたときに、あらかじめ持っておきたい心構えと、声のかけ方についてお伝えします。
「わかった」「いいよ」と、すぐには言えないのが親心
子どもに「学校を休みたい」と言われたとき、
「わかったよ」
「いいよ。今日は休もう」
と、すぐに応じられる親は、決して多くないと思います。
仕事の予定があったり、きょうだいのお世話があったり、家庭の事情があったり。
もちろん、親にも親の生活があります。
それに、
「夏休みで怠けグセがついたのでは?」
「ここで休ませたら、休みグセがついてしまうのでは?」
「ちょっとしんどいことがあると、すぐにあきらめる子になってしまうのでは?」
そんな不安が出てくるのも自然なことです。
だからこそ、
「行ってみたら楽しいよ」
「友達に会えるよ」
「しんどいのは最初だけだよ」
と、なんとか登校できるように励ましたくなる親御さんも多いのではないでしょうか。
でも、ここで少し立ち止まってみてほしいのです。
「学校に行きたくない」の言葉の奥にあるもの
子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親が考えていることとは、まったく違う理由が隠れていることがあります。
もちろん、すべての子どもに同じ理由があるわけではありません。
ただ、夏休みの終わりに出てくる「学校に行きたくない」という言葉の背景には、
「もう一度、あの毎日を始めるのはしんどい」
「また頑張らなくてはいけないのは、もう無理かもしれない」
という気持ちがある場合があります。
友達とうまくいかない。
勉強についていけない。
先生との関係がつらい。
学校という環境そのものがしんどい。
そんな状況の中で、子どもは1学期の間、その子なりに頑張ってきたのかもしれません。
そして、ようやく夏休みに入りました。
心と体を休めて、少し元気を取り戻して、
「2学期から、また何とか頑張ってみよう」
と思ったかもしれません。
でも、始業式が近づいてくる。
「また、あの日々が始まる」
そう思ったとき、
「やっぱりもう無理……」
という気持ちが出てくる。
その葛藤の中で、ようやく勇気を振り絞って伝えた言葉が、
「学校に行きたくない」
なのかもしれません。
だからこそ、まずはその言葉を受け止めてあげてほしいのです。
まずは「学校に行きたくないんだね」「話してくれてありがとう」
「学校に行きたくない」と言われたら、すぐに解決しようとしなくても大丈夫です。
まずは、
「学校に行きたくないんだね」
と、その言葉をそのまま返してみる。
これは、子どもの気持ちを否定せずに受け止めるための、とてもシンプルな方法です。
そして、
「話してくれてありがとう」
と伝えてみてください。
子どもにとって、「学校に行きたくない」と親に伝えることは、簡単なことではない場合があります。
「こんなことを言ったら怒られるかな」
「休みたいなんて言ったら、ダメな子だと思われるかな」
そんな不安を抱えながら、やっと口にしたのかもしれません。
だから、
「話してくれてありがとう」
という言葉は、
「言っても大丈夫だった」
「話してよかった」
という安心につながります。
問題をすぐに解決することよりも先に、「この気持ちは話していいんだ」と思えること。
それが、子どもにとって大切な一歩になることがあります。
「どうして?」と問い詰めすぎなくてもいい
「どうして学校に行きたくないの?」
親としては、理由を知りたくなりますよね。
何があったのか分からなければ、どう対応すればいいのかも分かりません。
でも、理由を尋ねても、
「わからない」
と答える子どももいます。
これは、何も理由がないという意味とは限りません。
不安や恐れが大きくなりすぎているときや、疲れ切っているときには、自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。
大人でも、つらいことが重なったときに「何がつらいの?」と聞かれて、うまく説明できないことがありますよね。
子どもなら、なおさらです。
だから、
「なんで?」
「何があったの?」
「ちゃんと話して」
と問い詰めるのではなく、まずはそばにいてあげる。
「今はうまく言えなくても大丈夫だよ」
という姿勢で待つことも、大切な関わり方です。
「学校に行く」か「休む」かの二択にしない
親が心配になるのは、
「学校に行かないことが当たり前になったらどうしよう」
ということでもあると思います。
「学校に行かないなんて、将来大変なことになるのでは」
と考えてしまうこともあるでしょう。
でも、実は子ども自身も、「学校に行けない自分」に劣等感や罪悪感を抱えていることがあります。
「みんなは学校に行っているのに、自分は行けない」
「自分は弱いのかもしれない」
「お母さん、お父さんを困らせている」
そんなふうに、自分を責めてしまう子もいます。
だからこそ、家庭を安心基地、安全基地にしてあげたい。
「つらいときは休んでもいい」
「今日は午前中だけ保健室に行ってみるのもいい」
「遅れて行く方法もあるよ」
「先生に相談してみることもできるよ」
「どうするか、一緒に考えてもいい」
そんなふうに、「登校する」か「欠席する」かだけではない選択肢を示してあげてください。
大切なのは、子ども自身が「自分には選ぶことができる」と感じられることです。
「休ませる=あきらめる」ではない
子どもを休ませることに、抵抗を感じる親御さんもいると思います。
「ここで休ませたら、逃げることを覚えてしまうのでは?」
そう考えてしまうかもしれません。
でも、「今は休んでいい」と伝えることと、「もう何も頑張らなくていい」と伝えることは同じではありません。
むしろ、心や体が限界に近づいているときには、一度立ち止まって回復することも必要です。
そして、安心できる場所で十分に気持ちを受け止めてもらうことで、子ども自身が「次はどうしよう」と考える余力を取り戻せることもあります。
今すぐ答えを出さなくてもいい。
今日どうするかを、一緒に考えていけばいい。
そんなふうに考えてみてください。
「行きたくない」と言える家庭であること
夏休み明けは、子どもにとって大きな変化の時期です。
始業式が近づいてきて、子どもの様子がいつもと違うと感じたら、「学校に行かせなければ」ということだけに目を向けるのではなく、
「この子は今、何を抱えているんだろう」
と、少しだけ立ち止まってみてください。
そして、もし子どもが、
「学校に行きたくない」
と伝えてきたら、
「学校に行きたくないんだね」
「話してくれてありがとう」
と、まず受け止める。
すぐに答えを出さなくても大丈夫です。
「どうしたら行けるか」を考える前に、「今、この子はどんな気持ちなのか」に寄り添う。
家庭が、「つらいときにはつらいと言っていい場所」であること。
「困ったときには、一緒に考えてもらえる」と子どもが思えること。
それは、学校に行けるかどうかとは別に、子どもが安心して成長していくための大切な土台になるのではないでしょうか。
夏休み明け、子どもの足取りが重くなったとき。
親も不安になると思います。
そんなときこそ、すぐに正解を出そうとせず、
「この子の今を、まず受け止めよう」
そんな心構えを、少しだけ持っておいてください。
子どもの「学校に行きたくない」は、親を困らせるための言葉ではなく、「今、しんどい」と伝えてくれた大切なサインなのかもしれません。
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